わたしの【Re Habilis】 〜 青空ふらんじゅ シェフ 松田 将明さん

ギブ&テイクがいいかたちで生まれる場所。
青空ふらんじゅ(※1)のシェフとして、滋賀県伊吹山の麓から毎月金沢を訪れる、レストラン ベルソーのシェフ・松田将明さん。輪島での初開催から携わり、ととのやを外部から定点観測し、感じたものとは?
※1 月に1度開催され、参加者と一緒にととファームで野菜を収穫し、松田シェフと一緒に料理する、参加型の青空レストラン。
―青空ふらんじゅのシェフを担うことになった経緯を教えてください。
じつは田邉先生とは旧知の仲で。先生が子どもの頃にご両親に連れられて、僕の父がシェフを務めていたレストランにいらっしゃってて。さらに、僕が高校生のときの家庭教師でもあるんです。
僕が仕事で輪島に暮らしていた頃、先生もリハビリテーション医として金沢医科大学に来られていて。再会して話をするなかで、農業と食とリハビリを絡めた取り組みの構想話を聞いたんです。地域コミュニティのなかで、多様な人とつながり、楽しみながら元気を取り戻していくというコンセプトがすごくいいなと思って。先生の実現したいことに料理人として加われるならと、2018年4月に輪島でスタートした青空ふらんじゅから参加させてもらっています。僕のスタンスとしては、参加者みんなでもてなしあって、採れたての里山食材を使ったおいしい料理で幸せを感じてもらえたら、ということかな。
―それから7年、長く続いている理由は?
フランスで料理の修業をしていたとき、従業員寮のみんなと毎週のようにレストランの敷地にある畑で野菜を採ってBBQをしていたんです。だから、青空ふらんじゅで料理をすることは僕にとって特別なことではないし、負担に感じることもないんですよね。
もうひとつ、フランス料理店に食事に来るお客さんって、どちらかといえば“心身ともに元気な人”なんです。それこそ、リハビリされてい
る人、病気で元気を失くしてしまった人に、自分はあんまり触れる機会がなかった。さまざまなお客さんに元気になってもらうためには?ということをもっと考えなきゃいけないと、ここで気づかされました。僕らの仕事は、おいしい料理で幸せを届けること。そんな大前提となる視点を改めて取り戻したというか。たくさんのことをここで勉強させてもらっています。
―ととのやの魅力とは?
僕は外部から月1回関わらせてもらっているけど、毎月、年々、ととのやの宿守である司さんが元気に笑顔になられていくのを感じていて。多くの人が新たなチャレンジのために古民家改修に関わる姿も見てきたし、そこに司さんの仕事が生まれて、司さんだからこそ提供できる“ととのやの価値”があって。そんなギブ&テイクがいいかたちで生まれる場所というのは魅力じゃないですかね。僕も料理人として関わるなかで、それらの一助になれたらいいなと思っています。
経歴:
Le Cordon Bleu Paris 卒業
Frédéric Simonin(フランス・パリ、星付き)
Les gorges de pennafort(フランス・カラス、星付き)
L’oustau de Baumaniere(フランス・プロヴァンス、2つ星)
コート ドール(東京・白金高輪)
これらを経て、実家である〈有限会社 瓢箪屋〉を継承。瓢箪屋は滋賀県米原市で〈レストランベルソー〉と〈ベーカリーカフェ プルースト〉を運営している。


